[Hito Terrace
導入事例]
地方独立行政法人 静岡県立病院機構 静岡県立こども病院 様

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体温検知と顔認証の精度が大きく向上し、判定速度も高速化。
将来的な職員の院内在否管理や
新たなセキュリティゾーニングの構築に期待しています

導入の課題/導入効果

課題
  • 入院患者に新型コロナウイルスを感染させない対策を模索していた
  • タイムカードやICカードで行っている職員の院内在否をリアルタイムに知りたい
  • 職員・職員外スタッフが通過するエリア設定をICカードよりもセキュアに構築したい
効果
  • 職員の発熱をいち早く検知し、職員起因のクラスター感染を抑止
  • Hito Terraceの顔認証により、職員のリアルタイム在否チェックおよび通過可否のセキュリティの構築が現実に近づく

「Hito Terrace」は、各種カメラ(ネットワークカメラ、サーモカメラ)と顔認証機能を用いて、患者の無断離院や職員の発熱をいち早く検知するサービスだ。 今回、複数あるサービスより、職員の発熱管理を取り入れて運用している静岡県立こども病院に話を伺った。

病院概要

全国有数の小児総合医療を提供

先進的小児医療をはじめ小児救急医療、児童精神医療、循環器疾患医療、周産期医療など約30の診療科と病床数279床を誇る静岡県立こども病院は、全国でも有数の小児総合医療機関だ。静岡市はもちろん、静岡県全域さらには県外からも毎日大勢の家族が同院を訪れる。
「小児専門の総合病院は全国で20前後。当院はそのひとつで、1日約400組前後のご家族が来院されます。当院の基本方針は『人を大切にし続けられる病院』。地域支援病院として地域の医療機関と連携しながらチーム一丸となり『小児医療・最後の砦のNew normal』をつくり上げています。」と語るのは院長 坂本 喜三郎氏。

院長 坂本 喜三郎氏


同院は小児医療に特化していることもあり、比較的若い家族がコンタクトしてくるケースが多く、ITソリューションは導入しやすいという。「業務効率や安全性を高めるうえで現在の医療にITソリューションは欠かせません。幸いにも当院はITソリューションを積極的に導入できる医療機関であるため、躊躇することはありません。実際、スマートフォンを活用した医療サービスなどは多くのご家族に喜ばれています。また、Webオンライン診療などは、全国で最も進んでいる病院のひとつだと自負しています。」(坂本氏)

実証実験の経緯

計測した各種データを次回に生かす

そんな同院が頭を悩ませていたのは、新型コロナウイルス感染症対策だ。患者である子どもの大半は、新型コロナウイルスに感染すると重症化するリスクが高い持病を抱えているため、万が一にも新型コロナウイルスの感染は許されない。
同じ時期、シーイーシーではサーモカメラを用いた発熱スクリーニングの仕組みを模索、開発に協力してくれる病院を探しており、同院に実証実験の提案を持ちかけた。ITソリューションの導入に積極的な同院は快くこの提案を受け入れ、2020年6月より複数の構成で実証実験を始めることとなった。
まずは、1階守衛口にモニター一体型サーモカメラを設置し、発熱スクリーニングを実施。さらに、1階エントランスには俯瞰型サーモカメラを用いて発熱者を検知するとパトライトが点灯する仕組みを設け、新型コロナウイルス感染の可能性がある人を別の入口に誘導する水際対策を行った。
その後、1階守衛口では発熱スクリーニングに顔認証を加え、発熱者を特定して院内関係者に自動通知する実証実験を行った。1階守衛口は外気の影響を受けやすい屋外に近い場所だったため、サーモカメラで計測したデータの一部は芳しいものではなかったが、この実験結果を活用して商用サービス(Hito Terrace 体温看視サービス)の開発に着手。2021年11月から職員向けに新たに運用されることになった。

新たな運用開始

精度と判定速度が大幅に向上

職員向けの運用は、モニター一体型サーモカメラと連携した新方式で開始。まだ始まったばかりだが、今回のHito Terraceに関して同院は大きな進化を感じているという。
「モニター一体型サーモカメラに変更したこと、内部プログラムをブラッシュアップしたこと、外気の影響を受けにくい病院4階の事務エリアに設置したことで、体温検知も顔認証も精度が大きく向上しました。さらに、判定速度も高速化。体温検知と顔認証の判定が瞬時に行えるようになりました。これにより、立ち止まる時間が大きく短縮されたため、将来的に職員が多く通る場所に設置することを考えると、実用化に向けてかなり前進したと思います。また、以前の顔画像の登録は事前に写真を用意し、その写真をもとにシーイーシー側で登録を行っていただいていましたが、今回はシーイーシーの手を借りなくても、我々で簡単に登録ができます。」とIT情報システム管理室 主任 水野 馨氏は語る。
現在、顔認証に登録されている職員数は20人ほど。登録していない職員が通過し「認証されませんでした」という結果が出ても通知は行うため、運用として十分なデータとなっている。

IT情報システム管理室 主任 水野 馨氏

精度が飛躍的に向上したHito Terrace

今後の期待

環境条件を含めた提案を期待

最後に坂本氏は「この話を伺ったとき、将来的には顔認証が職員の院内在否管理に役立つのではないかと考えました。
従来の在否チェックである全館放送の呼び出しは、検査中や手術中の患者様ほか、多くの方々にご迷惑をかけることになりますから、できればしたくありません。Hito Terraceを職員通用口に設置して顔認証を行えば職員の院内在否が分かり、誰にも迷惑をかけずに呼び出せます。
また、個人を特定できる顔認証なら、通過できる場所とできない場所を明確に区分しセキュリティを強化できるのではないかと思いました。今回の実証実験はそのためのデータ集めと理解し、当院もできる限り協力していきます。」と語ってくれた。

サーモカメラと事前問診サイトを組み合わせて精度が向上

新型コロナウイルス感染症対策で設置した1階エントランスのサーモカメラは、同院が開発した事前問診サイト(QRコードで誘導)の利用と組み合わせたことで、発熱者のスクリーニング精度が飛躍的に向上した。
これについて外来管理 Sub-working 代表 田代 弦氏は「感染させないためには、エントランスに入ってきてからの体温検知では対応が遅いと思っていました。
そこで病院のあらゆる場所に事前問診サイトに誘導するQRコードを貼り、『事前に発熱を把握していれば帰宅』『発熱がなければ体温検知システムでチェック』『体温検知システムで発熱を検知した場合はERの入口から入る』といったトリアージのようなことを行いました。

外来管理 Sub-working 代表 田代 弦氏

QRコードの徹底した周知で利用率が90%まで高まり、おかげさまで新型コロナウイルス感染症患者が当院のエントランスを通過してしまうケースはゼロ。大きな成果を得ることができました。」と語っている。

導入サービス
病院セキュリティ HitoTerrace®
患者・入居者の無断外出を特定する離院看視や、職員の発熱を検知する体温看視など、医療施設におけるリスク管理をICTで自動化し、医療従事者の負担を軽減します。

お客様プロフィール

地方独立行政法人 静岡県立病院機構 静岡県立こども病院
所在地
〒420-8660 静岡県静岡市葵区漆山860
開院
1977年4月
病床数
279床(一般病床:243床/精神病床:36床)
標榜科目
発達小児科、こころの診療科、新生児科、血液腫瘍科、遺伝染色体科、内分泌代謝科、腎臓内科、 免疫アレルギー科、神経科、循環器科、小児集中治療科、総合診療科、皮膚科、小児外科、心臓血管外科、 循環器集中治療科、脳神経外科、整形外科、形成外科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、歯科、産科、麻酔科、病理診断科、放射線科、リハビリテーション科
URL
http://www.shizuoka-pho.jp/kodomo/

※記載の情報は取材時のもので、閲覧時には変更されている可能性があります

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